時代の価値観

ある雑誌を読んでいると【昭和的価値観】という言葉が載っていた。その記事の内容は、危ない会社は大抵【昭和的価値観】を持っているというものであった。
【昭和的価値観】とはその記事を読むかぎり、「偉いものが下のものを自分の考え通りに動かそうとする事」を言うようだった。その根本は年功序列制度であり、会社の指揮を執るものが上から「こうしなさい、ああしなさい」と若者のやりたい事を無視して画一的にしてしまう事だという。こうなると下の社員は、やりたい事も出来ずに言われた事ばかりただただこなして出世を目指すしかなくなる。結果、本当にやる気があり新しい事ややりたい仕事にチャレンジしたい若者は離れていってしまうのだ。そしてこの事に対し会社側の人間がいう言葉は、
「今時の若い者は・・・」「こういうご時勢だからしょうがないか・・・」
これが【昭和的価値観】、俗に言う<古い>という象徴であり完全に時代に取り残されている集団が経営する会社という事だった。
心当たりがあり妙に納得してしまった私はその記事には書いていなかった逆を考えてみた。目的地を会社に指定されただけで自分でレールを敷いて行く事を許される、間違っっている事は「こういう所が間違ってる」と教えてもらう事はあっても「こうしなさい」とは縛られない会社だ。おそらくこのような会社は実在すると思う。やる気のある人にとっては理想の会社である。
言っておくが、別に年功序列制度が悪いという訳ではない。経験や知識のある人が上に立つのは理にかなっており、仕事のいろはも知らない新人が下につくのは当たり前だと思う。問題は考えを押し付けることであり、時代をこれから作る若者の新しい考えに聞く耳を持たない事であり、会社側(幹部)が中心は自分達だと勘違いしている事なのだ。部下は『駒』だという上司がよくいるがそれはもっともな事。ただ、活かすも殺すもその上司次第であり、自分を守る為の捨て駒としては見てはいけない。人の上にたつ人間にとって、会社は生きる為の場ではなく人を活かす場でなければならないんだ。この平成という時代は情報の溢れる時代であり、できる若者は「捨て駒と扱われている・自分は重要視されてない」と察知できる術を知っているのだから、そんな会社には見切りをつけるのも当たり前と言えるのではないか。そんな時若者は思っているだろう、
「昔の人間は・・・」「今の時代をわかってないなぁ・・・」と。
私も今、中間管理職として上司・部下両方を持つ位にいるわけだが、この両方を天秤にかけるとすれば部下の方に重きを置く人間になりたいと思っている。何かあったときの原因を人のせいばかりにして培った理論を押し付け、自分は何も動かないような【昭和的価値観】にはうんざりなのだ。幸い私には過去に尊敬できる上司が会社にいて、その方からいろいろ教わり今に至るわけだが、もうそのような「付いていきたい」と思える上司は今の会社にいない。自己の利がちらちら見え隠れするような【昭和的価値観】を持った上司ばかりだ。


と、一つの記事からいろいろ考えたので書いてみたが、別に今の会社の悪口を書きたかった訳ではなく、時代に合った考え方をしましょうという事を書きたかったのだ。昭和の第二次世界大戦の「お国の為に」ではないが、「会社の為に」と自分の一切を捨ててまで仕事をするより、「自分の為に」を第一に、そしてその結果が「会社の為に」となるような仕事をさせてくれる会社を選ぶ事が平成を上手に生きる方法ではないのだろうか。
・・・転職の日は近い。

只今の借金5931000円 総返済額69000円