たいかのかいしん

総裁選がニュースを賑わしている。まだ詳しくは各候補の目指す政治というものを知らないのだが、最初からどちらが有利だとか不利だとか決まっているような選挙なら、しないほうがマシだと思うのは私だけだろうか。立候補者の築き上げた基盤が物を言う金と年功序列的な考え、同じ党ということで基本的な方針だというならば、実際誰がなっても同じだと思ってしまう。勝ち負けをはっきりさせるだけの選挙なら、若手が結集してクーデターを起こした方がまだ面白いのかもしれない。
クーデターと言えば、日本で最初に起こったのは大化の改新だ。645年、無事故で世作り大化の改新と暗記していた頃が懐かしい。歴史とは古いものが新しく変わる事【改新】で作られてきた。少々お堅い前振りだったが、今日は私のしてきた【改新】についてまとめてみる。

まず、最初に行ったのは車通勤から自転車通勤への変更だ。このブログでは何度も触れていることなので、前から読んでる方は知っていると思う。当初はガソリン代の高騰から節約という名目で始めたこの自分改革は、出費の削減とともにいろいろな利を私にもたらすこととなった。健康面はもちろん、一日のスタートを気持ちよく切れる事や、車では難しかった周りを見ることでの世間の勉強と自然からの癒しなどがそうだ。それまでは時代にただただ流されての車通勤だったが、自転車通勤という時代から見ればワンランク下の通勤方法は、世間知らずの私に世間とその流れを見ることの大切さを教えてくれたような気がする。
次は私の髪型の事。 "悪いことをしたら坊主"という昔ながらの罰を私は決行した。そんな事で簡単に更生出来る訳など無いのだが、"変わりたい"という気持ちと"反省を見える形で表したい"という考えあっての事だった。それで何か変化があったのか？と聞かれると、自信を持って「ありました」と答えることが出来ないのだが、やはり30歳目前にしての丸刈りは周囲からいじられる結果となり、私にとっては十分な罰と感じられるものであった。そして、鏡を見るたびに、不意に頭を掻いたときに、風呂で頭を洗うときに･･･このような毎日のよくある場面で「なぜ私はこの髪型なのか」を考えさせられる事により、自分のした過ちを一日も忘れることは無かった。昔の学生は悪いことをした罰に青々とした頭にさせられたものだが、これは自分のした過ちを忘れないためだったのかと考えてしまう今日この頃である。2ヶ月が経ち、それなりに髪が伸びてきたので先日自分で刈った。今も私は、中学生でも今時いない丸坊主を続けている。
次、これまた学生時代に戻ったかのような事を始めた。勉学である。変わるという事は、頭の中、つまり考え方を変えなければならない。そう思い、世の中の仕組みや今といった時代、これからどうしたら取り残されないかという展望を学ぶことにしたのだ。仕事の休憩時間、帰宅後の空いた時間はそのような勉強になる本を読むという癖をつけてきた。おそらく学生時代よりも熱心に勉学に励んでいる。今まで時間を無駄遣いしてきた分を取り返すのはそう簡単にはいかないが、これからも継続して頑張りたいと思う。
細かいことを書けばまだまだたくさんあるが、全てにおいて共通しているのは【初心に戻る】という事にある。歳をある程度重ねると、できもしないこともできる･できそうだと感じたり、経験の少ない年下の世代を見ては優越感に浸るという傲慢さが出てくるものだ。やはり人間は謙虚に努力する姿勢でなければ何事もレベルアップしないものと考える。私のように傲慢で自分に自惚れて今に満足し、努力することなく上を見て失敗をするようでは話にならないのだ。
私にとって"初心"とは学生時代に一生懸命努力した部活や勉強の事だ。その頃はよく学びよく遊ぶという子供の仕事に一生懸命だったものだ。大人になって･･･やるべき事に努力せず、ギャンブルという付け焼刃の金を手に勝ち組を目指すというずるい近道を模索していた。
【初心に戻る】という事は、それまで知らずに育ててきた自分の傲慢さや自惚れの"退化"を促す事である。それによって"改心"できれば、きっと、人間としてもっと成長できるはずなんだ。
腐りきった過去の自分にクーデターを起こし、【大化の改新】ならぬ【退化の改心】を心掛けて自分の歴史を作り上げていきたい。

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