剣豪に学ぶ

私は日本の歴史が好きで、学生時代も日本史の時間だけは真面目に取り組んでいた。歴史に名を残す偉人と言われる人達の考え方は、常に"時代の風潮を背景とした独自の発想"を掲げ自分をアピールする事に長けた人ばかり。政治について、お金について、学問について・・・分野は違えどその偉人達の哲学に学ぶ事は多く、私のような個人だけでなく、企業までもがその哲学を社風に取り入れる事は多い。
今日は日本史に"戦いのスペシャリスト"として名を残した【宮本武蔵】の哲学に学んでみる。
宮本武蔵と言えば自分の戦い方を後世に残す為に書かれた兵法書である『五輪書』が有名だ。そこには武蔵流の戦法を「地・水・火・風・空」という仏教で言う世界五大要素になぞらえた五つの見出しで書かれてある。これはNTT西日本のHPにもソリューションを語るページで掲載され、五輪書による考え方が今なお重宝されている事がわかる。
今、世の中は格差と競争の時代であり、剣は使わないものの戦いを避けては通れない。その相手は多種多様であり、長刀を持って挑んでくる者もいれば体当たりで迫ってくる猛者もいる、飛び道具を持つ相手や情報という見えないものを武器に狙う者も。そのような相手に自分の得意武器を持たずに臨機応変に戦う事を指南した項目が五輪書にはある。
その項目で武蔵は"自分の型"というものに固執しない。常に相手ありきで勝つ事を意識するのだ。それは『拍子』という今では『タイミング』・『リズム』を指すものを大切だと指南する。
戦いを語る上で良く出てくる『間』というもの、これがタイミングだと思う。武蔵は相手の『間』を読む事で、自分の攻撃や防御に関する最適な時機を見つける達人だったのだ。固執した己の『間』に対する持論を貫こうとすれば、その『間』は自然と定着され、定着されるという事は"隙"という欠点まで固定されるという事になる。それは今の情報社会で致命的な欠陥となってしまう。
話を簡単にして"じゃんけん"という戦いに例えてみる。「最初はパーを出し、あいこの次のタイミングではグーを出す」と自分なりのじゃんけんに対する"戦法"に固執したとする。確かに数回は戦法として成立するかもしれないが、戦いの積み重ねと考えるとこれは相手にとって都合の良い欠点でしかない。武蔵の時代の剣の対決なら、こう構えたらこう来る・息を吸った瞬間に切りかかってくるというタイミングやリズムを読まれたら負けだったのだ。相手に読まれる危険性の高い固執したタイミングやリズムは捨てる、その代わりに相手のタイミングやリズムを真似る事でその戦い限りの自分のタイミングとリズムを作り出す・・・このような柔軟さを『拍子』と言う兵法として説いている。
『戦いの現場において敵の拍子を崩す事が勝利への道であり、それには先ず己の拍子を取り去り、敵の拍子を知る事が不可欠だ』という事を武蔵は指南しているのである。



この武蔵の指南に私が学ぶ事は多い。私の場合、今の借金返済生活における戦いの相手は"時代の流れ"と見ているのだが、ギャンブルに明け暮れていた頃の私は、"自身の欲求"という固執したタイミングやリズムに忠実な武士だった。休みはパチンコ・土日は競馬・誰でも可能性のある一攫千金の夢・消費者金融という偽打ち出の小槌、まさに時代の作り出す落とし穴に自ら向かっていったようなものだ。落とし穴とは人が落ちる可能性が高い場所に掘るものであり、誰も通らないと考えられる所には掘らないもの・・・それを考えると、私は"時代"という敵に拍子を読まれ、見事に切り刻まれたのだ。
これから私が"時代の流れ"という敵に勝利するには、固執する拍子(自身の欲求)を取り去らなければならない。そして相手(時代)の拍子を自分の物とし、そこから相手(時代)の動きを利用した自分への利益(勝利)への道を作らなければならない。
冒頭に書いたように、歴史に名を残した偉人は"時代の風潮を背景とした独自の発想"を哲学(戦法)としている。時代は背景として利用するものであり、一歩前に出る主題が自分であるべきなのだと思う。背景を知った上で、臨機応変なオリジナルの戦法により自分を主題として成り立たせる事、これが武蔵の哲学なのだと私は思う。

世間には"エゴイズム"や"唯我論"を"意志が固い"や"自尊心"として美化する傾向があるが、その固執した考えは時代遅れだと私は思う。確かに"意志の固さ"や"自尊心"によって勝利と言う成功を掴む事は可能だが、競争社会において戦いが一度きりという事は無く、生き残るには勝利を重ねる事が大切になってくるのだ。その為にも、相手を知ろうとする勤勉さと柔軟さが必要だと思う。時代の流れによって次々とあらわれる新しいタイプの敵、それに随時対応できる戦法を持ちあわせている事こそが、いつの時代にも共通する勝ち組の条件なのだ。

只今の借金5882000円 総返済額118000円 
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