CMから学ぶ

最近はTVを見る時間がほとんど無くなってきた。"時間が無くなった"というよりはTVに"興味が無くなった"と言うべきだろうか。私が仕事から帰宅するのは主にニュース番組が放送される時間帯なのだが、夜ご飯を食べる30分〜60分のニュースチェックが私の唯一のTV視聴時間となる。
この間読んだ経済雑誌の読者のページに、
『最近のTV番組はどこもかしこも低俗なお笑い芸人が出ている。パンツ一丁だったり、不気味なBGMで踊っていたり・・・何が面白いのかわからない。もう少し世の為になる番組をテレビ局は制作するべきではないか。』 75歳主婦
こんな記事が載っていた。"〜たり、〜たり"と書いているが、一人の芸人の事を言っているような気がするのは私だけではないと思うが・・・まぁ主張している事は間違ってはいない。実際、芸人のでないバラエティ番組は皆無と言っていいし、今はニュース番組でさえ芸人がゲストやコメンテーターとして招待されるほどお笑いブームの真っ只中だ。ただ、そのお笑いブームにテレビ局が視聴率優先に考えた番組構成の仕方は、少し行き過ぎた感があるのも否めないのも確か。私も75歳主婦の意見同様、『楽しむ為の番組、勉強する為の番組、感性を刺激する番組・・・いろいろな好みや必要性に対応する番組構成をしてほしい』と最近になって思うようになったのだが、これはやはり歳をとった証拠なのだろうか。。。
そんなこんなで良くも悪くもその時代の流れと風潮を映し出すのがTVなのだが、番組だけでなくCMも時代の流れと共に変化している。以前にも触れた『公益社団法人ACジャパン』のCMも、常に時代に欠けているモラルの訴えを行なっており、私はそのCMを見る度に何かしら考える事が多い。
今日は、私が最近見たTVの中で"これは今の時代を象徴している"と思ったCMを紹介してみる。

「俺の治療を拒否したんだ、もう診ないぞ!」「あんた、何歳まで生きれば気が済むの?」
「そんな顔してるから病気を作るんだよ」「素人に話しても時間の無駄」
「もう歳なんだから乳房なんていらないでしょ」「どうせ助からないんだから」
「あ、延命する気だったの?」

これらのセリフと一緒に病院を映し出すCMなのだが、これは一部の医師による心無い発言を取り上げたものだ。私はまず、時代云々というより唖然としてしまった。そして、このような言葉をもしも自分の家族や知り合いに投げられたらと思うと憤りを感じた。
最後にこのCMは「私達は、敢えて問題にしたい。」と締めくくる。そう、これは『日本医師会』のCMなのだ。当人自ら問題を提示し、解決を約束しているというもの。あまりの心の無さ加減に強く憤りを感じた私であるが、自ら現状を認める潔さと謙虚さに少し希望を持った。
このCMから考察する時代の背景、それは医師の驕りや傲慢さもそうなのだが、素直に過失を認め謝罪し解決に向かいますという謙虚さにある。度重なる企業・政治家の不祥事に国民はメディアと共に目を光らせる時代なのだが、そんな時代に最も有効な被害を最小限に抑える方法が、"正直"・"謙虚"になる事なのだ。『日本医師会』のCMで私は現に強い憤りという感情から希望へと推移した。要は『誠意』というもので『情』に訴えるのが、今の時代に危機を賢く上手に乗り切る手段だという事だと思う。
このような例は04年の『ジャパネットたかた』にも見る事ができる。顧客情報漏洩事件を起こした同社は即座に記者会見を開き陳謝した上で、当面の間のテレビCMを自粛すると処分を発表した。店舗を持たない同社がメディアでのCMの自粛するという事は開店休業に等しいものであり、実際1ヵ月半の自粛で130億円の減収となったという。ポイントは即座に謝罪に動いた事と処分の重さであり、この両方の誠意が国民への謝罪の説得力を互いに強めた。そして、今も同社は潰れる事無く営業する事ができているとう結果になっている。
逆の例としてはNOVAとコムスンがいい例となる。NOVAの社長は解約トラブルからの営業停止命令に「業績の影響は少ない」と会見で語り、コムスンは「介護事業を続けたい」と語った。どちらも言い訳と反論を含む自分勝手なものであり、潔さ・謙虚さという誠意に欠け、今の状態を作り出すはめとなったのだ。
今では『船場吉兆』の不祥事が問題になっているが、これも経営者がパート社員のせいにしているようでは結果が見えたようなもの。言い訳や反論を含む主張に今の時代は耳を貸すはずも無く、逆に疑いは深くなり信用は無くなっていくのだ。
これらから導き出される今の時代の風潮として、信用を意識する上では正直に・謙虚に自分の過失を認め、解決をしていく姿勢を見せる事が大切だと考えられる。昔では情報技術が未熟で嘘やでっち上げで誤魔化せたものが、今では不可能となっているのだ。誤魔化せないから潔くなるというのは少しおかしいかもしれないが、情報社会によって明るみになるべき不正がきちんと審議され、誠意が問われるという本来あるべき社会と変わってきているという事だ。


私もギャンブルでの借金という不祥事を起こしたが、今では隠す事無くその現実を見据え、迷惑をかけている方々へ誠意を持って改善に乗り出している。起こした不祥事には当然風当たりの強い意見や批判はつきものであり、私も経験しているのだが、そこに言い訳や反論を持って対応していくのと反省と謝罪を心して対応するのでは、自分の未来への発展の仕方に違いが出てくると考えている。
人は得てして自分のミスを隠したがり、そして欠点を美化する傾向があるものだが、これは周りに対しても自分に対しても何の進展がない事を意味するものだ。
これからも私は大小関わらず失敗をすると思うが、その時は素直に謙虚に自分の過失を認め改善するという誠意を持ち、前進する事を心掛けていこうと思う。


最近見ることの少なくなったTVだが、けっこう勉強になる情報も流れているものだ。TVが生きがいである妻が一人寂しくしているのも気になっていたので、これからはTVの時間も多くしようかな・・・なんて思う今日この頃である。

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