逆にみる本質とは

自転車通勤に完全防備を必要とする季節がやってきた。ニット帽、手袋はもちろん、最近ではダウンジャケットまで着なければ凍えてしまうような寒さ。そしてとうとう、雪が降り積もった。降り積もったとは少々大袈裟ではあるが、前日の夜に降っていた雪が私の出勤する正午過ぎ(今日は朝方から晴れ)にも関わらず道路を所々白くしていた。会社では冬の始まりの定番であるタイヤ交換の話で持ちきりだったが、当然私はその話に入っていけず、挙句の果てには「おまえは交換したか?」という上司の冗談に周りは笑いの渦に包まれたのだった。
後で調べてわかったのだが、どうやら自転車にも冬タイヤがあるらしい。タイヤにピンが打ち込まれたもので、価格は1万3000円程度。北海道の自転車販売店にあるみたいだが、私の近所の店にもあるだろうか。もしも在庫があり購入する事ができたなら、ガソリンの高騰している時期だけに節約を強いられる私には必需品となる。自転車のタイヤ交換・・・それはそれでまた笑いのネタとなりそうだが。
冬の雪道に自転車・・・これは危険性などで一般常識だと今まで考えられなかった事だが、今の時代はどんなニーズにも答えられる柔軟さが商売を発展させる事もあり、スポーツバイクだけでなくママチャリ用まであるようだ。常識という画一的な先入観からの"逆転の発想"は、商売においても普段の生活においてもアッと驚く利益をもたらす場合は多い。


さて、前フリはこのくらいにしておいてそろそろ本題へ。
巷で人気や話題を集めるのは"趣向品"と呼ばれる商品がほとんどを占め、一時的に急上昇する市場は多くの企業の業績に貢献する。一見、時代の流れに上手く乗れている企業は成長著しく感じるものだ。だが、86年〜06年という激動の20年間で、増収増益を着実に毎年積み重ねていった上場企業はたった一社であり、それは誰もが聞いた事のある有名企業ではないから面白い。そして、その企業は時代に敏感で常に大衆にうける"趣向品"を打ち出し続けているわけでもないのだ。
今日はその安定して会社を発展させてきた『コメリhttp://www.komeri.bit.or.jp/】』という企業を取り上げてみる。『コメリ』という会社は新潟県発祥のホームセンターだ。
ホームセンターと言えば"趣向品"よりも"必需品"というイメージが強く、その"必需品"がほぼ揃う大型店舗を想像すると思う。時代を重ねるごとにその必需品も幅が広がっている事を考えると、アイテム数の多い、より大型な店舗ほど企業間での強さを思わせる傾向がある。この考えは今の時代を生きる上では極普通の見解であり、誰もが店舗やアイテム数と比例した規模の大きさを連想するのではないだろうか。
コメリ』はそのような時代の風潮に逆らうように経営してきた会社だ。周りの大手ホームセンターがどんどんアイテム数を増やすのに対し、金属と園芸用品に的を絞るというアイテムの縮小(特化というべきか)。店舗は約300坪とコンビニ並の大きさ。アイテムにしてみても、金属は商品として循環しにくいものであり、園芸用品は鮮度が物を言うロスの大きな商品と経営者には敬遠されがちなものだ。そんなホームセンターがなぜ有名企業でも為し得ない"20年間増収増益の継続"を達成できているのだろうか。実際、このような営業体型にしていった『コメリ』を業界は嘲笑したという。
その大きな要因は、"コメリの経営理念"にあると私は思った。
まず、立地が田畑の広がる農村中心であるという事で、コンビニのような小さな店舗をコンビニのように点在させたという事。ホームセンターという事で買い手は当然"必需品"を求めるのだが、これは普段コンビニに"必需品"を求める生活を考えてみると良くわかる。必要なものが何十キロ先の大型店舗へ行かなければ手に入らないよりは、近くの小型店で買えるほうがいい。
そして、より通いやすくする為に無駄なコストを排除する事を心掛け、客に安く提供するシステムを作り上げた事。単に利益を追求するのならば顧客にもコストを負担してもらえばいいだけなのだが、『コメリ』はシステム作りにはお金をかけるが、経営における無駄は出さないようにするという"節約"を顧客の為に行い、真の薄利多売を目指していたのだ。
結果、農村のコンビニ・利用しやすい価格・農村に特化した"必需品"の品揃えというまさに客の為にあるような店が実現し、"時代に流されない"・"世の為が自分の為になる"という【本質】を踏まえた経営となり、バブルから始まった激動の20年で難なく業績を上げ続けたと言うわけだ。
そんな『コメリ』の"経営理念"の一部を抜粋して紹介する。

コメリの願い〜
世の中の人々の幸せのために この仕事がありますように
ここに集う人々の幸せのために この仕事がありますように
この企業に縁ある人々の幸せのために この仕事がありますように

私はこういった企業の成功話を本の中に見つけ読んでいていつも思うのだが、商売にしても一個人の生き方にしても、生きる・生き残る為にある【本質】の原理は同じなのではないかと思う。単体では生きられないという事を前提とし、関わる人や物への接し方や考えの持ち方で幸にも不幸にもなり得るという原理だ。
そして『コメリ』の話もそうだが、その【本質】に向かう事が"逆転の発想"と捉えられてしまう"時代の流れる方向"こそ逆なのではないかと私は考える。

私は借金を重ねていた頃、一体どこへ向かって走っていたのだろうか。ゴールを目指していたわけでもなく、勘違いで逆走していたわけでもない。全く見当違いな方向へ向かっていたかと思うと本当に情けなくなる・・・。取りあえずは自転車用冬タイヤを探し、雪道でも普通の道路くらいは真っ直ぐ走れるようになりたいものだ。

只今の借金5868000円 総返済額132000円 
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