失敗と成功のパラドックス

『失敗は成功のもと』という言葉があるが、これは失敗した事で学ぶ事の大きさを説いたものだ。かく言う私もこの言葉の重みを知り、今なお勉強中の身である。この事は個人だけでなく企業にも当てはまり、現在大手と言われる企業も多くの失敗をしてきたという話を本で頻繁に見てきた。成功は失敗から学ぶ事に起因するという説は、頑張り挑戦し続ける人達への理に叶った応援メッセージであり、合言葉となっている。
と、都合の良い所だけが浸透している"失敗"と"成功"の関係だが、何事にも裏の存在を見ることが出来るのが世の常だ。今日は、"失敗"と"成功"のもう1つの関係を勉強したいと思う。
世界には数多くの企業が存在し利益を競っている。当然順位付けも行なわれ世間の興味を集めるのだが、大きな時代の流れで見ると上位企業がいつまでも定位置に座り続ける事は少ないという。例えばアメリカの1955年のトップ100に輝いた企業のうち、2005年の時点でトップ100に入っていた企業はわずか28社しか無く、もれた72社は潰れたり新興勢力に座を明け渡す事になったという話がある。失敗が成功を生み、その大きさでトップ100まで入るようになった企業の7割が50年でその座から転落したのだ。
原因はたくさんあると思う。50年という年月が作る市場の変化、消費者の好みの変化、不祥事の発覚からの失墜・・・などなど考えられる事はまだまだあるのだが、これらの原因から生じた結果を一言で表すなら、それは"失敗"だ。自分・他人・社会・・・起因するものは何であれ、成功を収めた事で発生した何らかの意識が失敗へとつながったのだ。
今日私が言いたいのは、【成功は失敗のもと】という事である。
"成功"にスポットライトを当てて考えてみる。"成功"とは一体なんなのだろうか。お金か?地位か?名誉か?・・・人によってそれぞれ異なると思うが、結局のところ行き着く先は、自信から生じる『自分開発主義』という固定観念の定着でしかない、と私は思う。
"自分開発主義"とは、自分を絶対的な視点からしか見る事ができず、相対的な視点が欠如している状態だ。絶対と相対を簡単に言えば、自己中と謙虚という言葉にも置き換えられる。成功によって自分の将来に危機を感じる人など誰一人いるわけもなく、まして、希望と言う"欲"や自信という周りに対する"壁"が生じるものだ。"自分"という製品をより良く作っていこうという過程で、"欲"は周りを見えなくし"壁"は周りを受け付けなくなる。
任天堂WiiSonyPS3を考えてもらうとわかりやすいかもしれない。PS・PS2と立て続けに大成功を収めたSonyは、独自の高画質・高性能という型を追求する"自分開発主義"というトンネルの中に入ってしまった。当然、トンネルから周りは見えず、暗い中を成功で得た自信を頼りに掘り進む事となった。しかし、いざトンネルが開通してみると、時代の流れと共に周りも変わっていた。"自分開発主義"という名目の上では新しい自分を開発できたのかもしれないが、それは世の中から見ると孤立した観念となってしまっていた。成功が失敗を呼んだいい例だと思う。比べて任天堂は失敗からの出発であり、当然周りをリサーチしながらの謙虚な挑戦者だった。故に成功を収めたという『失敗は成功の元』のいい例だ。
いい例はまだある。それは私だ。
自慢ではないが、私はギャンブルを始めて何年かはプラス収支だった。小さな負けから大きな勝ちを呼び込み、さらに運よく成功が成功を呼ぶ展開になり、"自分開発主義"が定着していった。それは『一攫千金こそが成功への道』という長いトンネルへの入り口であり、その中をつい最近まで進み続けたところ・・・行き止まりだった。もちろん光など見えず、世間から孤立していた私の観念は脆くも崩れ去った。ギャンブルでの成功が原因で周りが見えなくなった結果、私は人生における大きな失敗をする事となった。


歴史上の偉人であるチャーチルがこんな言葉を残している。

「成功とは、意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである。」

ポイントは"意欲を失わずに繰り返す"というところにある。私が主張している『成功は失敗のもと』は、自分の型を絶対的と見る"自分開発主義"にあり、経験した成功に起因するエゴから導かれる失敗を危惧するもの。要は、"成功すること"を成功と捉える考え方が失敗に繋がるという事だ。周りからみれば成功と思えることでもあっても、自分の中ではその結果に何か問題点を探し出し、失敗と捉える謙虚な気持ちの大切さをチャーチルは言っているのだと思う。そうすれば、"失敗に次ぐ失敗"としてさらなる成功を目指す事となり、『失敗は成功のもと』が永遠と続く。
"失敗に次ぐ失敗"は、結果的に"成功に次ぐ成功"となっているのである。

只今の借金5868000円 総返済額132000円 
゚・*:.。. .。.:*・゜ご訪問に感謝いたします。゚・*:.。. .。.:*・゜
↓ランキングのご協力、よろしければクリックお願いいたします。↓
にほんブログ村 その他生活ブログへ  人気ブログランキングへ