ノビ太になりたい〜ドラえもんの価値感〜

借金返済生活を始めてから、私の社会に対する価値観というものは大分変わってきた。
何もかもがお金で解決できると思っていた過去・・・これは逆に考えると「お金が無ければ何も問題は解決しない」という考えとなる。お金に絶対的な価値感を持つのは正しい事だと思うが、その方向性を間違えると私のように痛い目に遭ってしまうのが怖いところ。お金に持つべき意識は"何でもできる都合のいい道具"ではなく、虎が我が子を存分に可愛がり大切にするような"尊さ"・・・【虎の子】として扱わなければならないのだ。
私がお金に抱くイメージの中に『ドラえもん』がある。昔、テレビや漫画本で熱くなっていた頃が懐かしい「虎の子」ならぬ「猫型ロボット」だ。当時の「今、一番欲しいものは?」の回答として誰もが使っていたくらい少年少女から憧れを持たれたロボットに、私はお金の価値観がダブる。
小学生時代は「もしもドラえもんがいたら・・・」なんて事を本気で考えニヤニヤしていたものだが、「もしも全員にドラえもんがいたら・・・」なんて怖くなるときもあった。で、それが今の社会なのかもしれない。
現在、お金は誰もが手に入れることができる。学歴・家柄・仕事・・・その人のステータスによって違いはあるが、頑張り次第で誰にでも可能性があるのだ。その価値観をドラえもんに例えると、それは昔漫画で見たような弱い者の味方ではなく、強い者の味方としてより一層の格差を生み続けるロボットと変わっているのではないかと私は思ってしまう。"都合のいい便利な道具"・・・そのような価値観を大多数に持たれる時代という私の幼少期の不安が現実となっているのが現代なのだと思う。
実際、私もそのような見方でドラえもんを見る大人へとなっていた。自分の持つドラえもんが停止してしまうと、新しいドラえもん消費者金融で借りてきてパンクするまで酷使していたのだ。当然、私は愛想を尽かされドラえもんに逃げられてしまった。
ドラえもんの話には何通りかの最終話が用意されているのだが、その一つで最後にノビ太が"自分の力で頑張る"と約束し、ジャイアンとの喧嘩で勝つ事でドラえもんを未来へと送り出して別れる話がある。これはノビ太の強い自立の決心と意識があるから感動をよぶ。おそらく、ノビ太がそういう意識の元での危機を迎えた時、ドラえもんはまたノビ太を助けにきてくれるのだろうと私は思う。
お金に関しても同じような意識を持たなければならない。自分がノビ太となり、ドラえもんがいなくても自立して生活していくという強い意志だ。それが社会人として必要な心構えであり、今の時代に必要な精神なのだと思う。そして、精神だけではどうにもならない事が世の中にはある。そのような必要な時にだけ、またドラえもんにお願いすればいいのだと思う。
ドラえもんは確かにすごい。だからこそ使い方を考えないといけない。
現代のドラえもんはノビ太が間違った考えをした時に叱ってくれるように、私達を叱ってはくれない。だからこそ意識をしっかりと持たないといけない。
ドラえもんを酷使しているといつかは逃げていってしまう。「ドラえも〜ん」・・・こんな風に毎回毎回泣きつく大人であってはならないのだ。
頼りたい時にドラえもんがいない・・・これほど泣きたいくらい不安な事など無いのを私は実感している。だからこそ、価値観のあり方を自分の中で確かのものにしていかなければならないのだ。そして、自立していこうとする心の中で自分自身がドラえもんとなり、周りのノビ太を助けていく事を目標としていくのが人としての道であるはずだ。




"ドラえもん"の数ある最終話の中で、一番私が好きなものを紹介する。

ノビ太が普段通りにドラえもんに泣きつくと、ドラえもんは動かなくなっていた。ドラミちゃんに原因を調べてもらうと"電池切れ"である事がわかる。
困難はいろいろあるが、直せる事は直せる・・・しかし、今電池交換すると今までの思い出は消えてしまう。交換しなければ思い出は残ったままだという説明を受ける。
そこでノビ太がドラミちゃんに一言、「このままでいい」。
それから数年間・・・ノビ太はガラッと人が変わり、自立し、後に一級の技術者として研究を続ける事になった。ドラえもんを思い出と共に復活させる為に。
動かなくなったドラえもんは押入れの中に大切にしまっていた。
そして、その時がやってくる。あの時のダメ男から意識を変え、一心不乱に頑張り続けたかいあってドラえもんは再びノビ太の前でしゃべりだした。
「ノビ太くん、宿題は終わったの?」

今、この文を書いていて思った。

「ノビ太になりたい」と。




只今の借金5858000円 総返済額142000円 
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