親の心 子知らず

今年もクリスマスの時期がやってきた。何年か前には「クリスマスは苦しみます」という今では笑えない洒落が飛び交ったものだが、実際に仕事や諸事情でクリスマスを普段通りに過ごす事になった人でも、このクリスマス週間の雰囲気に少しの楽しさも感じない人はいないはずだ。
一番楽しいと言えば、やはり子供達となるのだろう。私も昔はプレゼント欲しさに、この時期になると毎晩空に向かってサンタさんに話しかけていたのを覚えている。もう20年も前の事となるが、その頃は何千円というおもちゃがとても高価なものに感じ、そのプレゼントに歓喜狂舞したものだった。
20年も経てば子供達の願い事も大きくなり、今年のプレゼント候補潤・は数万円もするゲーム機だという。これを高いと思うか安いと思うかはそれぞれの家庭により異なると思うが、子供達にしてみれば友達付き合いも考えた上の一品らしい。高価なものでも子の無邪気さからお願いされるプレゼントなら「買ってやるか…」となるのかもしれないが、大人のような"付き合い"を前提としたものとしてのお願いなら、親としてはどのような心境となるのだろうか。まぁこれも人それぞれ十人十色という事で答えはまとまらないのだろうが、確実に子供達の世界にも"格差"や"付き合い"といった"大人の関係"らしきつまらないものが浸透しつつあるという事なのだろうか。
この子供がゲームを欲しがるという現象について、ある一般の女性が考えを述べている記事を読んだので紹介してみる。

ゲーム機を買い与えないという事はその分、親が子供に関わる事が求められる。絵本を読んだり、一緒に折り紙をするなど子供にも向き合わなければいけない。その時期が続くと、今度は子ども自身が一人で遊ぶようになると思う。
日経「私も一言」より

ごもっとも、と思った。
今の子供達は遊び方を知らないからゲームに走るのであって、ゲームに魅力があるからという理由ではないような気がする。確かに、今の次世代ゲーム機と言われる"PSシリーズ"や"Wii"は大人の私でも魅力を感じるものだが、もう少し"遊び"の分野では意見が別れてもおかしくないのではないだろうか。
子供に焦点をあてるとこのような意見となるが、実際はやはり親に問題があると思う。引用した記事にもあるが、子供との時間の減少がこのような事態を招いていると言っても過言ではない。
そしてもっと大きな視野で考えると、今度は今の社会が事の発端ではないかと思えてくる。"格差社会"における上流と言われる家庭は違うと思うが、共働きの夫婦も多いと思われるこの世の中に、子供との時間を多く取りましょうといっても無理なのかもしれない。後は男性女性に関わらず、その人固有の時間を大切にする時代の傾向も後押ししているのだと思う。親として子に接する時間を、知らずのうちに自分の時間へと転換してしまっているのではないだろうか。

この問題を私の借金に当てはめてみると、"親"が私自身・"子"がお金の価値観となる。
私はお金に毎日のように関わりながらもその価値については、無くなると困るものであり、あるのが普通としか考えられず、それ以上の価値を見出そうとしなかった。要は、お金そのものに対しては興味があるが、『価値』を考える事については関心が"ある"か"無い"かで言えば、限りなく"無い"に近かったのかもしれない。子供達がゲーム機を欲するように、私のお金に対する価値観は方向を誤り、"ギャンブルで一攫千金"という現代らしい夢のあるイメージを欲するようになっていったのだった。
何もゲーム機やギャンブルが悪いものだと否定する気は無いが、それが全てと考える事が怖いのだ。可能性として・一つの選択肢として見る分には全くかまわないと思う。
「友達がみんな持ってるからゲーム機が欲しい」と「大金が欲しいから一攫千金を狙いたい」は、この話において同じ事であり、その価値観の持ち方を制御するのは"親"であり、"私自身"であるべきなのだと思う。
断っておくが、これは私の価値観からの意見であり、「ゲーム機を買ってあげるべきではない」・「一攫千金を狙うのは愚かだ」と決め付けているのではない。どちらも選択肢としては間違っていないと思う。ただ、そこしか見れなくなる事で大きな失敗をしている私の経験もあり、このような考えとなる。

「友達がみんな持ってるから…」・「お金持ちと言われるようになりたいから…」ではなく、
「僕はこれに興味があるから…」・「私は競馬・パチンコを楽しみたいから…」という周りに流されない多くの中の一つの選択肢としてなら、制御する側からも与えられる側からも、それは最高のクリスマスプレゼントであり、楽しい人生の生き方となるのだと思う。

と、まぁこんな理論を打ち出したところで、ゲーム機を買ってもらえないとなると極端に落ち込んだり駄々をこねたりするのが子供であり、深く大きいのが人間の欲でもある。
【親の心　子知らず】とはよく言ったものだ。

只今の借金5858000円　総返済額142000円　
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