M1グランプリから学ぶ

今日は日本競馬のグランプリ、有馬記念が行なわれた。今年の競馬を締めくくるファンにとっての集大成であるレースだ。今ではもう競馬に使う時間も惜しいと思うようになり、予想も「好きな馬がグランプリを獲ってくれれば嬉しいな」程度に適当にしただけ。まぁギャンブル運に見放されている私の予想なんて当然当たるはずもなく、好きな馬が怪我なく無事にゴールしたのをニュースで知り、一観客として拍手をするだけとなった。
そして、今日はもう一つテレビでグランプリが行なわれるという事で、妻に頼んで録画してもらい帰宅してからじっくり楽しんだ。お笑いコンビが素人・プロ関係なく頂点を競い合う【M1-グランプリ】だ。もう7回目となるというのに一回も観た事が無かったので「今回は観てみようかな」くらいの軽い気持ちだったのだが、感想としては相当面白く、そして感動した。
面白い・感動という感情を私に心から感じさせてくれたのは見事優勝した『サンドウィッチマン』。お笑い芸人がほとんど出演している今のテレビ番組構成によりお笑い慣れしてきた感があった今日この頃だが、さすが優勝するだけあってこの一組の漫才だけは声を出して笑った。
サンドウィッチマンは敗者復活枠からの参戦であり、よくテレビで見る顔ぶれの中に一組テレビ慣れしていないようなぎこちない姿。正直、「つまらなそうなのがでてきた」と思っていた。が、オール巨人も「笑いは"期待"を裏切る事で生まれる」と番組内で言っていたが、サンドウィッチマンにはいろいろな意味で期待を裏切られる事に。歴代の漫才師で構成された審査員からの評価も高く、何より優勝後の一言、「夢見心地です」の震えた声に私は感動したのだった。

期待というのは"応える"事と"裏切る"事で評価が変わる、客観的に見たそのものに対する未来予想図だ。私は、借金を重ねている最中は自分を主観的にしか見れていなかったと思う。これは自分に対し期待を持てていない事と同じであり、現実から掛け離れた自分の理想像しかみれていなかったという事。
期待とは『実現するだろうと予想できる範囲』でするものなのに対し、理想とは『追い求める完成型』そのものを見ることを言う。たとえ自分の未来予想図であっても、段階を踏まずに一気に飛び越えようとしてしまうと、その未来予想図は夢となってしまい現実とはなりにくいものなのだと思う。『一日一歩、三日で三歩、三歩進んで二歩下がる』とはよく言ったもので、"進んでいる"という実現の積み重ねが大切なのだ。『生涯勉強』とも言うとおり人間に完成など無いのだから、その空虚な完成型を夢見るよりは、着実なレベルアップを目指して小さなスパンで集中したほうがより効率的であり、評価も確実に上がっていくはずだ。
また、大きければ大きいほど"応える"事で得るものはあるが"裏切る"事で失うものは多い、逆に、小さければ小さいほど、"応える"事で得るものは少ないが"裏切る"ことで得るものが多いのが『期待』の概念と考える。この考え方でポイントになるのは、"大きい期待"に関しては失うものがあるのに対し、"小さい期待"に関しては失うものが無いという事。そして"裏切る"、つまり小さい期待は客観視されている未来予想図よりも大きな成果を出しやすく、そこから得るものも大きくなるという点にメリットがある。期待する側・される側にかかわらず、予想していたよりも大きな成果を見出せるという事は"少なくとも進んでいる"ということであり、たとえ何かを得られなくとも失っていなければ、"後退してはいない"のだ。この違いは大きい。

競馬予想は払い戻しが小さくとも人気馬を狙うのがセオリーであり、長い目で見ると期待が必要以上に大きくなる穴狙いは効率が悪いという事。
「この話面白いよ」と触れ込まれた話が、たいして面白く感じなかったという経験をしたことがないだろうか。お笑いに関しても、「面白いはず」と思って期待されてるよりも「つまんないんだろうな」という見方で見られていたほうが、その期待に応えた時の評価は格段に高いという事なのだと思う。
サンドウィッチマンに関しては、この考え方による力が働いていたとしても、それ以上に実力があったと私は思っている。そういうことで決勝三組の実力は伯仲していたと思うが、事前に期待され支持されていたキングコング・トータルテンボスが敗れ、サンドウィッチマンが一番に評価されたのは"期待の大小の差"だったのかなと思う。

私は借金によって、周囲の方々の期待を大きく裏切りいろいろなものを失った。おそらく、今の私に周囲の方々が期待するのは「二度と繰り返さないで欲しい」くらいの小さな期待だと思う。私自身もすぐには完済できるなどと思わず、ただただ繰り返さない為の訓練をしているだけのつもり。これはまさに敗者復活であり、今こうして最低限度の生活ができているという事は、M1グランプリで言えば決勝に残っている状態なのかもしれない。
"借金を繰り返さないグランプリ"とは格好がつかないが・・・今の私が考えるべき未来予想図はこれなのだと思う。

只今の借金5844000円　総返済額156000円　
ﾟ･*:.｡. .｡.:*･゜ご訪問に感謝いたします。ﾟ･*:.｡. .｡.:*･゜
ランキングのご協力、よろしければクリックお願いいたします。