足

ある雑誌にソニー会長のハワード・ストリンガー氏のインタビューが掲載されていた。メインはPS3の値下げと今後についての話だったが、私が注目したのは次のような発言だった。

インタビュアー：あなたは古い時代の大統領選をテレビで見たと思いますが、今回の大統領選でネットはどのような役割を果たすと思いますか？
ストリンガー氏：ブログなどは無頓着な人にとっては巧妙な罠のようなものだ。愚かな発言は何一つ見逃されない。今の大統領選においても問題は、口を開くべきかどうかということだ。

インタビューの最後に書かれたこの発言は確かに的を得ている。大統領選に限らず、日本でも有名人の不適切な発言によるブログ炎上は多く、記憶に新しいものではプロゴルファーの上田桃子さんのブログが炎上した。
今はWEB2.0時代と言うように、誰もがネット上に自己表現でき、誰もがそれを閲覧できる。そして時代の風潮として"モラル"が取り沙汰される世の中。『無頓着』な人は世の中から予期せぬ攻撃を受ける可能性が高いというわけだ。
攻撃を受けるのが嫌だからといって口を開かない、これも一つの手段となる。余裕があるからと蛇の絵に足を付け加えるよりは、いらぬ問題を起こさない為に必要以上に行動しないのもありだと思う。ただ、解釈を間違ってならないのは、"余裕"を持てるほどでもないのに行動を起こさないのは利口じゃないという事。
『蛇足』という故事成語の成り立ちは、国の支配者が無駄に他国を攻め入ろうとした時に、参謀が「余分な戦いは、ただあなたの地位を失う可能性を高めるだけですよ」と説得した事にある。まだまだ発展途上という段階で行動を起こさないのは、ただ『二の足を踏んでいる』だけだ。
"口を開くべきかどうか"、口に限らず行動でもこの選択は生きる上で大事だと思う。私は必要以上の富を得ようとした為に多重債務者となってしまった。ギャンブル大好き・自分が可愛い・悪い意味で楽観主義・・・それまで飾って上手く誤魔化していた本性が、必要以上の欲望によって"馬脚を露した"のだ。消費者金融からの借金の積み重ねは5社まで膨れ上がり、その過程に思う「今さえ凌げれば…」が、まさに自分の『揚げ足を取る』羽目になった。何が必要で何が不必要か、この判断の仕方で人生どうにでも転ぶ可能性がある。
"手軽に誰でも借金できる"というお金に対して無頓着な人にとっては"罠"とも言える時代に、私は見事に『足をすくわれ』転んでしまったわけだが、ここで臆病風吹かせて口を閉ざすわけにはいかない。これからの自分を想像し、最善策を見つけて歩いていかなければならない。私は今、"何が必要で何が不必要か"…この判断をしっかりする為にギャンブルからは『足を洗い』、世の中を勉強している最中だ。
勉強などはもうかれこれ10年近くしていないので頭から煙が出てふらふら状態、まさに『千鳥足』といった感じではあるが、今では確実に幸せに向かい進み始めているように感じ、"自分"というものに自信を持てるようになってきた。

さて、お気づきだと思うが、生きるにあたって『足』というのはとても重要である。植物で言えば根に相当し、それは生きる為に強くどっしりと構えていかなければならないものだ。『足』とは汚い部分という事で『悪し』の意味が語源という説もあり、そこにしっかりとした意識を持ち生きていかなければ悪に侵されてしまうのだと思う。
そして『満足』という言葉、これも『足』が関係する"満ちる・足る"という意味だが、これを知る事で不必要が必要でなくなり、それまで必要だったものが不必要になる。"吾、唯足るを知る"という感慨深い言葉があるが、このような謙虚さを軸に歩いていく事が人間として大切なのだ。

これからは…個人が自ら個性を発信できるという時代の風潮に流される事なく、必要の有無をしっかり見極め『無駄足』を踏まないよう利口に生きていきたい。その根底に据えるべきものは"モラル(世の為・人の為)"であると私は考える。
多重債務に『足掻く』事無く、人一倍努力し、今の状況を見守ってくれる周囲の方々の『足手まとい』とならぬよう自分制御に精進していきたい。
そしてこのブログ・・・しっかりとした"自分らしさ"を持ち、上辺だけ口だけの男と『足元を見られない』ように書いていきたい。
このように思っているので・・・万が一読者様の考えと違いましても"悪しからず"ご了承ください。

只今の借金5844000円　総返済額156000円　
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