見守られる化

来年4月から上場企業約4000社に内部統制の義務付けが行なわれる。今年相次いだ大手企業の不正は、企業内で社員がグルになって行なわれたものが多く、消費者や管理する国に不透明な部分が大きい事が懸念されたからだと思う。
環境問題・他国との関わり・政治・企業・家庭・個人・・・大きいところから小さいところまで、重大な問題は全て見えない部分で深刻化しているケースが多く、時代は今、【見える化】という透明性の高い策をとることが推奨されているようだ。
実現されている例として身近なものは、消費税を販売価格に上乗せして表示する義務がある。私も実感しているが、これは消費者としていらぬ心配をしなくていいので助かる。導入当時の端数の価格表示には少々違和感はあったが、はした金しかポケットに入っていない私とっての買い物における【見える化】とは、【見得る価】として非常に都合のいいものと感じられるようになってきた。
見る側にとって都合の良い【見える化】であるが、見られる側にとっては都合の良いものではないというのが現状。企業の内部統制という見える化は、コストと時間が多くかかり、大きいところでは数億円・期限に間に合いそうに無いというのがほとんどらしい。実際、システム作りに追われているのか不都合な事実をどう隠し対応するのかに追われているのかは定かではないが、『安全・安心』がテーマとなりつつあるこの時代に、今まで利己的なシステムにスモークをかけてきた企業は年末年始〜春にかけておおわらわとなりそうだ。
と、近い将来の事を考えるとこの【見える化】とは"面倒"の一言で片付けられそうだが、長い目で見るとそれは信頼へと変わってくると思う。根が悪いものは飾る事が難しくなり自然と落ちていき、優良なものは今までどおりかそれ以上の信頼を得るのではないだろうか。正直者がバカを見る時代は、だんだんと正直者がバカを斬る時代へと変わり、地獄の沙汰も金ではなく信用次第と変わっていきそうだ。

私の借金は他からは見えない部分でどんどん大きくなっていった。もしも世間に消費者金融からの債務者リストが公開されていれば、ここまでは落ちていなかっただろう。「情報は守ります・他の人には一切知られません」、このような文句が、私には親切に、都合がいいものと感じられたものだ。しかし、利が絡む秘密事には大抵リスクがつきまとうもの、そして、そのリスクは遅かれ早かれ事実として受け入れる事になる。誰もが秘密裏に進めたい借金や最近の汚職事件はその典型的な例だと思う。
見えない事がリスクに繋がるのとは逆に、見える事は長い目で見るとリスクの軽減・さらにはメリットへと繋がっていく。現に私は多重債務の事実を数人にカミングアウトしただけでかなり楽になった。今ではこのブログを通じ多くの人に知られる事となっているが、借金という事実の恥ずかしさは、今実感している開放感に比べれば非常に小さいものだと感じている。そして見られていることが、頑張らなければ!という"やる気"と"責任感"を生み出してくれる。

人間は自分の利を追求する為なら何でも死に物狂いで守る本能があるが、残念ながらそれは周囲にことごとく破壊されていくものだと私は考える。利とは周囲と共有するもの・・・現実的な話をすれば争奪するものであり、もしも本当に守りたいなら、まず周りから守られるようにしなければならない。見えないように守るから周囲は興味・若しくは悪意さえ持って土足で立ち入ろうとするのだ。そして、見られる・守られるからには、それ相当の信頼性の獲得と利の提供が必要となる。これが、人間が共存しないと生きていけない理由の一つなのではないだろうか。
こう考えると、【見える化】とは【見守られる化】であり、企業にとっても個人にとってもコストと手間のかかる大きな改革となると思うが、誠実な業務・生き方をしている限り見返りは大きいと考えられる。


私にとって自分自身の【見える化】とは、非常に多くの問題点を発見するきっかけとなった。これは今まで見えなかった・見ようとしなかった自分の悪い所であり、その多さにはほとほと呆れてしまうばかり。だが、この発見できた問題点のおかげで私は少しずつ成長し、失った信用も取り返せているのではないかと考えている。
これからもこのブログを通じ、私という人間を見つめ直し明らかにしていくことで【見える化】を続けていこうと思う。"監視"という概念ではなく、温かい目で見守られる為に・・・。

只今の借金5844000円 総返済額156000円 
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