『過ぎる』ことの愚かさ〜妻への交渉〜

今日は久しぶりに書店へと出向き立ち読みにふけっていた。昔なら、漫画本にゲーム雑誌・競馬雑誌にパチンコ雑誌と遊び満載フルコースといった感じだったが、今では専らビジネス誌経済誌・哲学や歴史と、以前の私を知る人なら「台風か嵐がくるのではないか」と心配してしまうような背伸びした本を読むように変わった。
背伸びしている感は自身でも否めないが、特に無理して読んでいるわけでもない。いろいろな考え方を知る事が面白く感じ、それを知った自分が何か大きくなるような感じが堪らなく嬉しいのだ。そして、30手前にして資産もステータスも無いに等しい自分への危機感から、遊び系雑誌を読みたいという余裕は既に無い。
このような背景から堅苦しい人気の無いコーナーに一人立っていたわけだが、「生き方」・「考え方」・「思想」をメインにした本がとても多い事に驚いた。それだけ今の日本人に真っ当な人間性が足りなく、また、必要とされているのかと。活字ばかりの本の売れ筋といえば映画やドラマになるような小説ばかりだと思っていたが・・・。
ザッと見回して最後に私の目にとまった本は、中国の思想家から生きる為の考えを抜粋した作品。当ブログにも孔子孟子荀子故事成語、仏教関係の言葉を多く取り上げ書いているが、中国に限らず歴史が育む教えには多くの学ぶべき事がある。見出しを読んでいると興味を惹かれる言葉がズラリ・・・私は立ち読みでその本を読むのはもったいないと思い、いつかその本を買うことにして書店を出た。
その本の見出しの中でもパッと目に入ったのが「大らかすぎず、繊細すぎず」の題。当ブログで以前書いた"悟り"の事だと思った。
悟りとは、一般的に考えると日常や現実から掛け離れた神の領域のような印象を受けるが、実際はそんなこともないと私は思っている。釈迦は貪欲に悟りを得ようといろいろな事を勉強したが得られず、そのような貪欲さを捨て瞑想に集中した所に悟りがあったと言っている。出しゃばりすぎず、のんびりしすぎない・・・この中間にあるバランスこそが"悟り"なのだと思う。
『過ぎる』という言葉に私は賢さを感じない。これはバランスを崩す事であり、調和を乱すことになる。今問題になっている環境問題・格差、私においては借金なんかも『過ぎる』の言葉一つで説明できるのではないだろうか。


欲するという人間の本能から生じる欲望は留まる事を知らない。己にとって限界までその欲望が達したとしても、それを超えようとするのが考える頭を持つ人間なのだと思う。"大らか"とは心にゆとりを持ちこせこせしない様を言うが、これに過ぎると"寛容"は"単純"に変わり、マクロな世界観は持てたとしても、それを構成するミクロな世界観までは気が届かなくなる。故に、隙が生まれる。自分の本能に大らかになり自分制御を怠ると、欲望は暴走し、何が善で何が悪か、何が得で何が損か・・・このような判断が難しくなる。
本能を抑える為に働くのが理性。何事にも本能に対し理性で包んで答えを出す・・・一見素晴らしいお手本のような考え方に感じてしまうが、これはコンピューターや機械のすることだ。幾何学的に秩序の組み合わせで合理的に答えを導く様を私達はどこかで見ていないだろうか。
そう、今の社会の仕組みだ。

『之を道(みちび)くに政を以(もっ)てし、之を斉(ととの)うるに刑を以てすれば、民免れて恥なし』
(行政を法制にばかり頼り、治安を刑罰にばかり頼ると、民は法制や刑罰さえひっかからなければ何をしても大丈夫だとし、そのような行動に恥を持たない)

という孔子の言葉があるが、機械的な正しさとそれに組み合わせただけの罰というミクロな答えの積み重ねは隙(抜け道)を作る事になりかねない。現にそのような抜け道を利用し富を得ようとした財界人が多数ニュースに登場している。人間における"繊細"とは感情に細やかな事を言うが、小さな事象にいちいちデリケートになっていると肝心な部分まで気が回らなくなる可能性が出てくるということだ。




やはり、『過ぎる』というのはバランスもそうだが本質を見誤る事になりそうだ。大きなものと小さなもの、近いものと遠いものなど、対局する事象の中心を見なければ、その全体も部分もしっかりと把握できないという事だろう。
多額の借金抱える私でも、思い詰めず欲望と我慢の限界を知り二つのバランスをとることで、これからは上手く生きていけるのかもしれない。お金が無いから、節約しなければダメだからと我慢ばかりしていてもダメなんだ。


と、いう事で・・・早速この理論を持って、本を買ってもらえるよう妻に交渉してみるか!

只今の借金5834000円 総返済額166000円 
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