坂本九さんに学ぶ

以前、雑誌で"やる気"について書いてあった記事を読んでから、私は日常に簡単な決まり事を作り行動している。それは「歩く時に下を向かない」・「3階未満は階段を走って上る」だ。
私の勤めている会社は着替えするロッカーから職場まで3階あるのでいつも走って上がるようにし、また、歩く時は目線を下げないように、できるだけ上を向いて歩くようにしている。これにはきちんとした調査による裏付けがあり、常にエレベーターやエスカレーターを使う人よりも階段を使う人の方が、そして上を向いて歩いている人の方が仕事のスピードが早く意欲的なのだという。
借金をしている時の私は全く逆だった。不良がポケットに手を突っ込んでうな垂れながら歩くような感じで、ただ1階上がるだけの用事を全てエレベーターで移動していた。当然移動中だけに収まるはずが無く、職場に入ってもエンジンのかかるまで時間がかかり、休み・仕事・遊び・・・・全てにおいて同じペースだった気がする。
始めは"上を向いて歩く"がとても難しかった。普段から元気に前向きな方はわからないかもしれないが、これはけっこう体力の要る行動だった。何事にもすぐ自分の殻を作り閉じこもろうとする傾向があった私は、おそらく常に下を向いて歩いていたのだろう。首はすぐに痛くなり、視点をどこに置けば普通に歩いているようにみえるのかと真面目に考えた事もあった。パチンコ台や携帯やPCといった機械は正面から向き合う事ができたが、親しみの無い人間と向き合う事はつらいもので、自分でも目が泳いでいたのがわかるほどだったのだ。
今、「歩く時に下を向かない」・「できるだけ階段を使う」という自分のエンジンのかけ方を知ってからは、過去の自分と比べ物にならないくらい活気があると思っている。目線を下げない事は、自分から進んでいるんだという意識が働いて"やらされている感"を感じなくなり、階段を走って上る事は"ダルさ"を解消し勢いをつけてくれる。結局は自分に対する自信を得ているのだと思う。



今日このような事を書こうと思ったのは、坂本九さんの歌をテレビで聞く機会があったからだ。
上を向いて歩こう』・『見上げてごらん夜の星を』・『幸せなら手を叩こう』・『世界の国からこんにちは』・・・挙げればキリが無いが、坂本九さんのヒット曲には"前向き精神を行動に移す事で実感する"という表現の歌が多いことがわかる。
上を向く・挨拶するといった普通の事でも実際はなかなか難しいもの。今、コミュニケーションのとり方や自己啓発が人々の関心を集めているのも、いかに坂本九さんの歌にあるような本質が必要とされ、欠けているかを表しているのだと思う。そして数十年経った今もなお時折流れ、私達に飽きられない親しみやすさは、メロディだけでなく歌詞にも魅力を感じるからではないだろうか。ちなみに、世界で一位になった日本の歌謡曲は『上を向いて歩こう』ただ一曲だけというから、これはもう人間全てに共通する何か感じるものがあるのだと思うしかない。




上を向いて歩く、夜の星を見上げる、幸せを態度で表現する、必要とされない場面でもすすんで挨拶する・・・これらは意識無くしてはなかなかやらない事だと思う。そして、拝金主義という今の世の中を合理的に生きようとするならば必要の無いものなのかもしれない。だが、それではダメなんだ。
私は皮肉にも借金を通してこの事に気付いた。
先にも書いたように私は意識して上を向いて歩いている、自転車で通勤してると夜の星を毎日見ることになる、毎日を勢いつけてスタートすると自ずとアグレッシブな行動派になる、そうなると挨拶は億劫でなくなる。そして、拝金という膜で覆われて気付かなかった幸せを体感できるようになった。
以前には反応しなかった坂本九さんの歌に敏感になるのはこういう理由があるからなのだろうか。若しくは単純に歳をとったかどちらかだ。


借金返済生活という苦しい現状だが・・・数少ない幸せを見逃さないよう、そして自ら行動に移して幸せを見つけるような生き方ができればと思う今日この頃である。

只今の借金5834000円 総返済額166000円 
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