自己偽装の果て

正月はもう過ぎたというのに、未だに覚めやらない正月の渦中にいるのが製紙関連企業みたいだ。事の発端は年賀はがきの再生紙使用偽装なのだが、日本製紙の疑惑発覚から他にも王子製紙大王製紙北越製紙三菱製紙の大手4社の不正発覚、今日謝罪会見を開いていた。
まず私が感じたのは、エコに目覚めた人々の良心に付け込むような性質の悪い罠への怒りだ。"ロッテ"のビックリマンチョコが流行った時には"ロッチ"のビックリマンシール、たまごっちが流行った時には数え切れない偽者が出回ったものだが、これらは消費者に対して偽者であることを前提にしているのでまだかわいい。流行の"エコ"を好感度アップ媒体とし、見えない事をいいことに巧みに消費者を騙していた製紙企業は許されるものではない。
今、確かに地球環境問題への取り組みが企業の未来を左右するくらいの重要事項となっているが、だからといって環境問題のような良心に関係する問題を営利的に考え偽装してしまうのでは世の末・・・もう何も信じられなくなってしまう。いかに自分を殺せるか・いかに自分を低く見せるか・いかに自分を忘れる事ができるかが、拝金主義に汚染され不信感を募らせる消費者の心を掴むポイントであり、世の流れに体裁をあわせただけのエコ偽装や自己偽装などは問題外だ。
自己偽装に関して言わせてもらえば、自分を低く見せる事で同情を誘おうとし、申し訳程度に会見を開き深々と頭を下げるおじさん達はもう見飽きた。見飽きたというよりも逆に嘘くさく感じてしまうのは私だけだろうか。
ニュースでは社長の辞任するかしないかを取り上げているものが多く、今回のエコ偽装では日本製紙ただ一社だけが社長辞任らしい。企業は多くの社員の生活があるので「じゃぁしばらく休みます・値下げします」なんて軽々しく言えないのだろうと考えると、けじめという面では責任者の辞任は消費者として一番納得しやすい。だが、社長辞任の無い残りの4社の発表時期や会見や対応の同調を目の当たりにしてしまうと、製紙業界にあるカルテルらしきものが見え隠れしているようで何とも胸糞悪い印象だけが残ってしまった。慇懃無礼とはこのような事を言うのだろう。
昨日の記事で『愚直』という言葉を出したが、不正がばれて頭を深々と下げるのが"企業のバカ正直で臨機応変な行動をとろうとしない『愚直さ』"ならば、そこに何かの疑惑が生じないように"バカさ加減"を極めてほしい。それが今の時代に必要な"自分を殺す・自分を低く見せる・自分を忘れる"という『忘己利他』に繋がると思う。業界第一位の日本製紙の不正は簡単に許されるものではないが、社長の辞任まで潔くやってのけた事に関しては、さすがトップなだけあるなと思った。



さて、私は人の事を偉そうに評価できるような人間では無い。真面目一本気を周囲に装っては数多くの寄り道や詮索、悪さをしてきた私・・・"偽装の塊"というキャッチコピーをつけられていてもおかしくなく、企業ならばとっくの昔に倒産しているはずだ。そのシワ寄せが幸せから遠ざかる事になり、多重債務という形で己に降りかかっている。
昔から私は体裁ばかりを気にする人間だった。悪い事をすれば頭を下げるだけ・感情の無い「はいすいません、二度としません」・その場しのぎで媚びへつらう「どうか御内密に」・・・、この繰り返しだったような気がする。そんな自分に嫌気が差す時もあったが、そこから繋がる利益を考えるとどうしてもやめられなかった。
"ドラえもん"の登場人物で言えば"スネ夫"、中途半端に知恵が働くばかりにズルさを持ち合わせるタイプだ。そんなスネ夫も私ほど悪ではなく人間味を持っている事を考えると私はスネ夫以下・・・とてもじゃないが少年コミックには登場できない人間だ。だから、私はジャイアンやノビ太のように素直に喜怒哀楽や自分を表現できる人物に今でも憧れを持つ。例え体裁が悪かろうがそこには偽装がないから。


私は借金によってますます偽装人間になっていったが、"真面目に返済"を心掛ける今では愚直を心掛ける事で偽装とは無縁な生活を送れているような気がする。見栄えが悪いからと言って偽装に頼ったとしても、現実の中身は一緒なのだ。そして、偽装したとしてもそれはいつか必ず露になるものと考える。私の借金も、今回の年賀はがきの件も同じ・・・ばれるのが遅くなればなるほど、中身と上辺のギャップに泣く事になるのだと思う。

只今の借金5834000円 総返済額166000円 
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